スポーツフィジカルトレーニング
スポーツのために筋トレを取り入れている方は多いと思います。 しかし、残念なことに筋トレによってスポーツのパフォーマンスが低下してしまったという話もよく耳にします。
「スポーツトレーニング」のコンテンツでは、筋トレの効果をスポーツに活かすための情報やトレーニング法について解説していきたいと思います。
スポーツトレーニングとは
当サイトの掲示板ではよく、「○○(スポーツ名)をやっていますが、どんなトレーニングをすれば良いでしょうか?」という質問をお受けします。
私自身いくつかのスポーツは経験がありますので、自分の経験した事のあるスポーツならどのような能力が重要なのかある程度理解できているつもりですが、やったことの無いスポーツに関しては残念ながら予想の範疇でしかお答えすることができません。
そこで、当コンテンツでテーマにあげるスポーツトレーニングとは、各自のスポーツに必要な能力を自分で考えて、それを伸ばしていくためのお手伝いをさせて頂くという主旨でお話を進めていきたいと思います。
スポーツに必要な3つの能力
スポーツのために必要な能力は、大きく分けると3つあります。
これは単純にスポーツのうまさというもので、スポーツを行う上では一番大切な能力です。
精神力の強さや、競技に対する考え方、冷静に判断するための能力です。
テクニックとは関係無い、身体能力です。単純なパワー、スタミナ、スピードなど。
当サイトではスポーツに必要な能力の中でもフィジカルに焦点を当てたいと思います。
フィジカルストレングス
テクニックやメンタルというものは、スポーツの練習や大会などを通じて向上させるものです。
これらの能力は、そのスポーツに特化した練習が必要ですので、当然、掲示板で質問をいただいても答える事ができません。
というより、スポーツを行っている人がそのスポーツに関連の無い赤の他人にこんな質問をする事自体が思考停止状態に陥っているとしか思えません。
競技練習以外で時間を作ってトレーニングできるものがフィジカルです。
フィジカルトレーニングは、いろいろなものがありますが、筋力アップを目的とした筋トレもフィジカルトレーニングです。
そして、スポーツのために必要なフィジカルの能力は次のようなものがあります。
- 力(筋力)
- 瞬発力(スピード、パワー)
- 敏捷性、反応
- スタミナ(無酸素性)
- 持久力(有酸素性)
うえの5つが、私が考えるスポーツに必要なフィジカルの能力です。
この中から、各種スポーツに必要な能力の優先度を考え、自分の得意不得意な能力を考えて向上させていくことが真のスポーツトレーニングといえるでしょう!
ちなみにこの先フィジカルの能力のことをフィジカルストレングスといいます。(”Physical”=物理的、”Strength”=強さ、)
フィジカルストレングスの分類
フィジカルストレングスの分類と詳しい説明です。
先ほどのページでは、スポーツに必要なフィジカルストレングスについて書きましたが、具体的な中身について考えていこうと思います。
フィジカルストレングスの分割とその説明は、私独自のものですので、単語を本来の意味とは違う使い方をしていることもあると思います。
これは、フィジカルストレングスを分かりやすく分類するためですのでご了承ください。
力(筋力)
力とは、説明するまでもなく単純に筋肉の力のことです。
これは反動や連動を使わない100%筋肉だけの力のことを指します。
これは筋トレによって鍛えることが出来ます。
瞬発力(スピード、パワー)
瞬発力とは、読んで字のごとく一瞬で発する力のことです。
スピードは速さ、パワーは力×速さで表す事ができます。
ややこしい話しになりますが、スピードを出すためにはパワーが必要で、パワーを発揮するためにはスピードが必要です。
瞬発力を高めるためにはスピードとパワーを強化するトレーニングを行います。
敏捷性・反応
敏捷性とは早さのことです。
神経系の早さのことで急に動きの方向を変えたり、相手の動きに合わせて動くなど動こうと思ってから動くまでの時間的な早さのことです。
反応とは動こうと思うまでの早さのことです。
つまり、肉体的な早さが敏捷性、意識的な早さが反応です。
スタミナ(無酸素系)
スタミナとは無酸素性の運動を持続する能力のことです。
400メートルダッシュや連続短ダッシュなどで最初から最後までペースを落とさずにするために必要な能力です。
持久力(有酸素系)
持久力とは有酸素性の運動を持続する能力のことです。
マラソンや長時間のスポーツなどに必要な能力です。
私の場合は以上のような見解でフィジカルストレングスを分類しています。
これはご自分で分かりやすい名前を当てはめてみても良いでしょう。
これらを鍛えるトレーニングを、フィジカルストレングストレーニングと言います!
自分で考えるスポーツトレーニング
スポーツトレーニングはフィジカルストレングスの優先度から自分自身で考えて実践する事が大切です!
自分自身で考える
基本的にどのようなスポーツでも、分類したフィジカルストレングスは満遍なく必要なものです。
しかし、自分の行っているスポーツに必要なフィジカルストレングスの優先度を考える事はとても大事な事なのです。
頭をひねって考えても分からないという方は、フィジカルストレングスについて考える以前に、スポーツ練習や大会で経験を積み、そのスポーツについてもっと深く知る必要があると思います。
これらを踏まえて、当コンテンツは、○○(スポーツ名)のフィジカルストレングスの優先度は△△です。というのでは無くて、自分自身で見つけるためのお手伝いをさせて頂くという主旨でお話を進めたいと思います。
水泳の例
ひとつ、フィジカルストレングスの優先度を考えるときの例を出してみたいと思います。
小学生の時に水泳をやっていたので、水泳について考えようと思います。
クロールの短距離選手だと過程すると、まず、泳ぎの速度を求めるためにひとかきひと蹴りの動作でたくさん進むための筋力と瞬発力が必要です。
そして、動作を維持するためのスタミナが必要です。
動作をすばやく入れ替えるための敏捷性も必要です。
このように、どんな目的のためにどのフィジカルストレングスが必要かを考えていきます。
まあ、ほとんどのスポーツでは全てが必要になってくると思いますが、トレーニングする目的をしっかり自覚する事が大切なんです。
そして、現在の自分自身に必要だと感じるものから順に優先度をつけていって下さい。
陸上競技のトレーニング
フィジカルストレングスの優先度が決まってくると具体的なトレーニングに入るわけですが、どういったトレーニングを行えば良いでしょうか。
ここでは陸上競技の練習に注目したいと思います。
陸上競技では、単純に早く走る、遠くへ跳ぶ、高く跳ぶ、遠くへ投げる、長距離を走る、などのフィジカルストレングスそのものが競技の目的となっています。
ですから、瞬発力向上のためのトレーニングなら短距離選手やパワー種目(砲丸投げなど)の選手のトレーニングが参考になります。
ピリオダイゼーション
フィジカルストレングスを長期的に向上させ続けるためのテクニックと最高の状態で大会に臨むためのテーパリングについて!
ピリオダイゼーションについて
ピリオダイゼーションというのは、トレーニングの内容を期分けして行うことです。
高校時代、私の学校の野球部はオフの時期には筋トレを頑張っていたんですが、大会の時期が近づくと、まったく筋トレを行っていませんでした。
筋力アップのために筋トレをしていたと思うのですが、このやり方では、オフの間に向上した筋力は大会までに元に戻ってしまい、次の大会に向けての筋トレではまた一から鍛えなおさなければいけなくなります。
向上⇒低下⇒向上⇒低下を繰り返すのはとても勿体無いことで、向上⇒維持⇒向上⇒維持というふうにもっていくことができれば、長いスパンで見ると大きな向上が期待できます。
このように、長期間で確実に全体的なレベルを向上させていくための考え方がピリオダイゼーションなんです!
ピリオダイゼーションの期分け
それではピリオダイゼーションの期分けについて例を出して説明します。
年に2度大切な大会があると仮定し、この2度の大会にフィジカルストレングスのピークを持っていくために半年間を期分けします。
- 筋肥大期
- 筋力強化期
- 瞬発力強化期
- スタミナ強化期
- 敏捷性、反応強化期
大きく分けると以上のような感じになります。
筋肥大の目的に筋トレを行う時期です。
筋トレにかける時間を多くし、8~12RMのトレーニングを中心に行います。
筋トレの強度を高め、筋力アップを図る時期です。
4~8RMの筋トレを取り入れます。
筋トレの量を落とし(強度は落とさない)、瞬発力アップのトレーニングに時間をとります。
スタミナ強化に力を入れ、筋トレや瞬発力トレーニングは維持程度に行います。
試合が近くなってくると、敏捷性や反応のトレーニングや技術的なトレーニングに時間を多くとります。
また、この時期は疲労を残さないように気をつけます。
テーパリング
テーパリングというのは、疲労が無い状態で大切な大会に臨むためのテクニックです。
トレーニングによって向上させたフィジカルストレングスは、一度向上してしまえば強度を落としてもある程度は維持することができます。
ですから、大会などの1~2週間前には練習の強度を落として疲労を取り除くようにしましょう。
しっかり疲労を取り除くためにはまったく運動しないのではなくて、心地良く行えるぐらいの運動を心がけましょう。
また、ピリオダイゼーションの期間を移項するときにテーパリングを行うとスムーズに移行しやすいです。
人によってテーパリングにかける期間や、テーパリングの間の運動強度は異なりますので、経験を積みながら自分に合ったものを探していきましょう!
スポーツのための筋トレ
スポーツのための筋トレはスポーツパフォーマンスの向上を第一に考えて量や時間、頻度を調整しましょう!
筋トレとピリオダイゼーション
スポーツパフォーマンスの向上を目的とした場合、筋トレにばかり時間をかける事はできません。
筋トレはあくまで補強であり、スポーツの練習をメインに行う事を忘れないようにしましょう。
ですからピリオダイゼーションでは筋トレの目的を明確に、スポーツの練習に力を入れなければいけない時期には筋トレにかける時間や頻度を短くします。
これからピリオダイゼーションの期分け毎の筋トレ方法を説明します。
「説明します。」などとカッコ良い事を言ってしまいましたが、私のやり方をご紹介するだけですので、良かったら参考にしてください!
筋肥大期の筋トレ
この時期は大会からも時期が離れており、基礎的な体作りが求められる期間ですので筋トレにかける時間は多くとれると思います。
- 3分割、週4回の筋トレ
- 1部位につき2種目
- 1種目目:アップ2セット,8~12RM3~4セット
- 2種目目:アップ1セット,8~12RM2~3セット
筋力強化期の筋トレ
筋肥大させた筋肉を最大限に使うための神経系向上のための筋トレです。
- 3分割、週4回の筋トレ
- 1部位につき1種目
- 1種目目:アップ2セット,8~12RM1セット,4~6RM1セット,1~3RM1セット,8~12RM2セット
瞬発力期、スタミナ強化期の筋トレ
この時期になると筋トレにばかり時間をとってられませんので、筋トレの量と頻度を少し減らします。まだ筋力の強化は期待できる程度の強度です。
- 2分割、週2回の筋トレ
- 1部位につき1種目
- 1種目目:アップ2セット,8~12RM1セット,4~6RM2セット
敏捷性、反応強化期の筋トレ
この期間は他のトレーニングに時間をかけたい時期ですので、筋トレは週一回で集中して行います。
維持程度に考えて疲労を残さないように気をつけます。
- 胸・背中・足のみ分割無しで週1回の筋トレ
- 1部位につき1種目
- 1種目目:アップ2セット,8~12RM1セット,4~6RM2セット
ラダートレーニングで敏捷性を鍛える
ラダートレーニングは脳から体への伝達速度を高め、敏捷性を良くするためのトレーニングに最適です!
ラダートレーニングについて
敏捷性を鍛えるトレーニングとしてラダートレーニングは最適です。
ラダートレーニングとは、「ラダー」という名前の通り縄梯子のような器具を地面に敷いて、その枠の中や外をステップして敏捷性を鍛えるトレーニングです。
ラダートレーニングでは、ラダーの枠内外を自由に動くのでは無く、あらかじめ決められた動きで行います。
この、決められた動きを出来るだけ速く行う事で、敏捷性に必要な調整力が鍛えられます。
当サイトでは、ラダートレーニングのステップの一部をご紹介いたします。
私も数年前にラダートレーニングに嵌っていたときがあったのですが、当時はラダーが一本20,000円ぐらいでとても手が出ず、ホームセンターでロープと鉄板を買って来て自作のものを使って行いました。
今では「AMAZON」でも、びっくりするほど安く購入できます。
ラダートレーニングの基本ステップ
ひとつの枠内に片足ずつ入れて一気に駆け抜けます。
ひとつの枠内に片足ずつ両足とも入れて一気に駆け抜けます。
ラダートレーニングの応用ステップ
枠に対して入って出てを繰り返しながら右方向に進んで行きます。
ステップは左右の順に踏んで行きます。
両足ジャンプで枠に入って出て、右の枠へ入って出てを繰り返します。
もちろん他にも沢山のステップがあります。
各競技の動きに順じたステップを独自に作る等、トレーニングの幅は無限大です!
インターバルトレーニングでスタミナアップ
インターバルとは、高強度運動と不完全休息(低強度運動)を交互に反復して行うことにより、スタミナを向上させるトレーニングです。
インターバルトレーニングとは
インターバルとは、高強度運動と不完全休息(低強度運動)を交互に反復して行うことにより、スタミナを向上させるトレーニングです。
分かり易く言うと、それぞれ決められた時間で、ダッシュ⇒ランニング⇒ダッシュ⇒ランニングを繰り返すようなトレーニングです。
1952年のヘルシンキ五輪で長距離三冠に輝いたチェコのザトペックにより実施されたものだそうです。
インターバルトレーニングの設定方法
インターバルトレーニングはスタミナ強化したい強度の度合いによって設定方法が違って来ます。
強度が低い場合は、時間を長く設定します。
心拍数を最大近くまで上げた状態で2~5分間の運動を行い、1~2.5分間流します。
これを1セットとし、5セット程度繰り返します。
強度が高い場合は、時間を短く設定します。
時間は、競技時間や目的に合わせて設定します。
プライオメトリクスで爆発的パワーアップ
プライオメトリクスとは、筋トレで高めた筋力をパワー、瞬発力に変換する為のトレーニングです。
プライオメトリクスとは
プライオメトリクスとは、筋トレで高めた筋力をパワー、瞬発力に変換する為のトレーニングです。
プライオメトリクスは筋肉や腱の特性を利用したトレーニング法で、素早い切り替えし動作を伴ったダイナミックな動きが特徴的です。
筋肉や腱の特性
筋肉は、急激に引き伸ばされると即座に収縮しようとする特性があり、これを伸張作用といいます。
伸張作用で筋肉が収縮しようとすると同時に意識的に筋肉を収縮する事で、通常以上のパワーを発揮する事ができます。
ジャンプするときに、しゃがんだ状態からいきなりジャンプするより、立った状態からしゃがんでジャンプした方が高く跳べるのは、この伸張作用の為です。
また、筋肉と骨がくっついている部分のことを腱といいますが、筋肉が引き伸ばされた時は腱も引っ張られます。
筋肉が収縮し始めると、引っ張られていた腱がゴムのように元に戻り、通常以上のパワーを発揮する事が出来ます。
プライオメトリクスはこういった筋肉や腱の特性をうまく利用し爆発的なパワーを身に付ける為のトレーニングです。
心拍数トレーニングで持久力アップ
心拍数トレーニングは、心拍数を計測し効率的に持久力アップできるトレーニング法です。
心拍数トレーニングとは?
心拍数というのは一定の時間内の脈拍の回数、つまり心臓の拍動する回数です。
一般的に1分間の脈拍数の事を指し、心拍数トレーニングにおいても1分間の心拍数を利用します。
心拍数トレーニングとは、名前のとおり心拍数を目安に強度をコントロールして行うトレーニングのことです。
心拍数トレーニングのはじめかた
心拍数トレーニングは最大心拍数を基準にトレーニングの強度を決定します。
最大心拍数=220-年齢
上の式でおおよその最大心拍数を求める事ができます。
つまり、20歳の人なら最大心拍数は200です。
そして、持久力アップのためのトレーニング強度は最大心拍数の60~90%です。
20歳の人なら、120~180の間に心拍数を維持しながらトレーニングを行います。
最初は60%を維持してトレーニングを行うようにして下さい。
慣れてくれば少しずつ強度を上げていきます。
心拍数の計測方法
心拍数の計測方法は、自分で実際に脈拍を測るのが一番簡単ですが、面倒ですしトレーニングをしながらリアルタイムに心拍数を計測することができません。
ですから、ハートレートモニターなどの心拍計を利用するのと良いでしょう。
色々なタイプがありますが、胸部にベルトを巻いて計測する形のものがおすすめです。
高価なものもありますが、「AMAZON」なら格安のものも見当たりますのでおススメです。