筋トレ入門
なぜ何百回も反復するような筋トレでは効果が無いのか?また、なぜ筋トレは毎日やったらいけないのかご存知でしょうか?
筋トレ入門では効果的な筋トレを行うために最低限必要な筋肉の知識や、筋トレの理論について解説していきたいと思います。
速筋線維と遅筋線維
効果的に筋トレを行うために、まずは筋肉を構成する2つの筋肉線維(速筋線維と遅筋線維)について学びましょう。
速筋線維と遅筋線維の特徴
筋肉を構成する筋肉線維には速筋線維と遅筋線維の2つの種類があります。
以下の表に、それぞれの特徴をまとめてみましたのでご覧下さい。
速筋線維 | |
---|---|
|
筋肉中に酸素を取り入れずに運動する。 |
大きな力を発揮できるが、力を発揮する時間は少ない。 | |
早い速度で収縮できる。 | |
遅筋線維 | |
| 筋肉中に酸素を取り込んで運動する。 |
小さな力を継続的に発揮できる。 | |
収縮速度は遅い。 |
逞しい筋肉を手に入れたいなら速筋線維を鍛えよう
トレーニングすることによって、強く大きく逞しく成長するのは速筋線維です。
そして、筋肉が逞しく成長することによって、下記のような色々な効果が期待できます。
- ダイエット
- 筋力向上
- 瞬発力向上
- 競技能力向上
- 健康維持
他にもありますが、大きく分類するとこんな感じです。
「筋肉が大きくなるのにダイエットに効果があるの!!??」
と、思われるかもしれませんが、これは、筋肉が大きく成長すると基礎代謝量が大きくなるためです。
(基礎代謝については次のページで)
アメリカ等のダイエット先進国では、筋トレがダイエットに効果的な事はもはや一般常識です。
あなたが手に入れたいのはどんな肉体でしょうか?
鶏がらのように細いだけでヒョロヒョロの身体?
それとも、短距離走選手や格闘家のようなメリハリのある逞しい肉体でしょうか?
後者なら、速筋を鍛えることで理想の肉体に近づけるはずです。
筋トレで基礎代謝アップ
筋トレによって筋肉が強化されると、食べても太りにくい体質になるのをご存知でしょうか?
基礎代謝って何?
太りにくい身体作りをするうえで欠かせないのが基礎代謝についての知識です。
基礎代謝という言葉だけなら聞いた事があると思いますが下の表に簡単にまとめてみましたのでご覧下さい。
- 基礎代謝とは何もしなくても自然に消費されるエネルギー
- 基礎代謝は一日で消費する全エネルギーの約70%
- 基礎代謝のうち40%は、筋肉維持のためのエネルギー消費。
- 筋肉維持のためのエネルギー消費量は、筋肉の大きさに比例。
基礎代謝量がアップすれば自然に消費されるエネルギーが増えるので太りにくくなるということです。
説明がくどくなってしまいますが、太る理由というのは消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーの方が大きい事です。
余分なエネルギーは体内に蓄積され、7200キロカロリーで体重が1キロ増えます。
同じ量を食べても、基礎代謝量が高い方が蓄積されるエネルギーが少なくなるため太りにくいというわけです。
筋トレで基礎代謝がアップする理由
基礎代謝の40%が筋肉によるエネルギー消費です。 さらに、エネルギー消費量は筋肉の大きさに比例して増えていきます。
つまり、筋トレによって筋肉が大きく成長すれば基礎代謝量がアップするというこです。
筋トレによって筋肉が大きく成長しやすいのは速筋線維です。
太りにくい身体を作りたいなら速筋線維を効果的に鍛えられるウェイトトレーニングが最適です!
筋トレで有酸素運動の効果もアップする?
ダイエットの代名詞と言っても過言ではない有酸素運動。
筋トレは基礎代謝アップ、つまり太りにくい肉体を作ることが目的なら、有酸素運動は直接エネルギーを消費することが目的です。
実はこの有酸素運動の消費カロリーは、筋肉量に比例して大きくなります。
つまり、筋トレで基礎代謝をアップさせる事によって有酸素運動時のカロリー消費も大きくなるのです。
まさに一石二鳥!
効率的な肉体改造を目指しましょう!
筋トレの負荷と回数
残念ながら筋トレは『努力=結果』ではありません・・・
適切な負荷と反復回数で行わなければ効果は期待できないのです。
それでは、筋肉を強く逞しく鍛えるための負荷と反復回数について勉強しましょう!
強く逞しくなるための筋トレ
筋肉を成長させるためには筋トレを行わなければいけませんが、筋トレの方法によって効果は違います。
ここでは、筋肉を強く逞しく、そして大きく成長させるための筋トレの方法について解説しようと思います。
色々な考え方がありますが、まずは一番オーソドックスな方法を勉強しましょう。
下のリストに筋トレの負荷と反復回数についてまとめてみましたのでご覧下さい。
- 8~12回反復できる負荷(重量)で行う。
- 反復回数は限界数。
- 上の負荷と反復回数で3~5セット行う。
- セット間のインターバルは1~2分。できれば1分以内。
- その前に軽い負荷で15~20回のウォーミングアップを2セット程度行う。
どうでしょうか?
ここをしっかり押さえれば、筋トレは「努力=結果』につながるでしょう。
具体的な筋トレの方法
それでは一番人気のある筋トレ種目『ベンチプレス』を例に挙げて具体的な筋トレの進め方を解説します。
- アップ:50kg-20回
- アップ:70kg-15回
- メイン:90kg-10回
- メイン:92.5kg-6回
- メイン:90kg-6回
- メイン:80kg-7回
上の例では、ウォーミングアップを2セット行い、メインのセットを4セット行っています。
ここで重要なのはメインの最初のセットの負荷設定です。
筋トレを続けていけばだんだん自分の扱える重量がわかってくると思いますので、10回反復することに挑戦するような形で負荷を設定すれば良いでしょう。
全てのセットで限界まで行っているので、だんだんと筋肉は疲労します。
当然、同じ負荷で同じ反復回数を繰り返していくことはできません。
そこで、反復できた回数によって次のセットの負荷(重量)を設定していくようにしましょう。
上の例では、1セット目に90kgで10回反復できたので、2セット目は重量を少し増やしています。
2セット目は6回しか反復できなかったので、3セット目は重量を減らしています。
このような感じで、決められた負荷と回数を繰り返すのではなく、筋肉の成長や疲労度によって臨機応変に対応していくことが大切です。
負荷の設定方法について、詳しくはブログに書いてみたので参考にしてみてください。
参考ページ:
- 筋トレ重量の設定方法(2011年1月12日)
爆発的に筋力アップする超回復の秘密
筋力アップするために欠かせない超回復の仕組みについて解説致します。
超回復の仕組みを理解し、正しい筋トレ計画を立てましょう!.
超回復って一体何なの??
超回復・・・
何かかっこ良い響きですよね。スーパーサイヤ人みたいな・・・
言葉どおり、超回復というのは回復を超えた回復のことです。
速筋を鍛えるための正しい負荷と回数で筋トレを行えば、筋肉は疲労します。 この時に筋肉線維は消耗し細かく傷ついたような状態になります。
そして、時間とともに消耗した筋肉線維は回復していき元の状態に完治します。
ところが回復はここでは終わらず、元の状態よりも更にレベルアップした状態にまで引き上げられます。
筋肉にはこのような仕組みがあり、これが「超回復」です。
筋力アップするためのトレーニング計画
筋力は何もしなければだんだんと低下していきます。
筋トレを行い、せっかく超回復しても何もしなければ元に戻り、更に低下していってしまうのです。
だからと言って、超回復が完了する前に新たなトレーニングを行うと、筋肉はじゅうぶんな回復ができずに疲労が蓄積されてしまいます。
このような状態が続くと、筋力アップどころではなく怪我などのリスクを負うことになってしまいます。
つまり、筋肉を成長させ続けるためには超回復の時期を見極めて筋トレを計画していかなければいけないのです。
超回復のための3つの要素
超回復による筋力アップを図るためには、3つの要素が必要です。
- 筋肉を疲労させる為の筋トレ
- 筋肉を回復させる為の休養
- 筋肉を修復するための栄養
ハードに筋トレした後は筋肉をしっかり労わってあげましょう。
筋肉をじゅうぶんに休ませ、しっかりと栄養を与えてあげると筋肉は喜んで超回復するんです。
筋トレにかける時間と頻度
筋トレの効果を最大限に引き出すための筋トレ時間と、筋肉を強く逞しく成長させるための筋トレの頻度について解説致します。
1回あたりの筋トレ時間
筋トレは短時間集中型で行いましょう。
具体的には筋トレは1時間以内に終わらせるのが理想的です。
長時間トレーニングを行うと筋肉の成長に必要なテストステロンというホルモンが減少してしまい筋肉の成長が妨げられてしまいます。
さらに長時間のトレーニングによりエネルギーが不足してくると、筋肉が分解されてエネルギーとして利用されてしまうのです。
集中力も切れてしまい効率的な筋トレを行うのも難しくなってしまいます。
このように長時間の筋トレは百害あって一利なしです。集中してさっさと終わらせましょう!
筋トレの頻度
筋トレを行う頻度についてですが、一番大切なのは筋肉にじゅうぶんな回復時間を与えることです。
筋肉が超回復してから筋トレを行うことで、次の超回復で更に筋肉が強く成長します。
逆に、筋肉が回復し切る前に次の筋トレを行うと、筋肉は回復することができなくなり、どんどん消耗していってしまいます。
超回復までにかかる時間は才能や環境、筋トレの強度や体調によって様々ですが、一般的には48~72時間ぐらいだと言われています。
筋トレを行ってから2~3日は筋肉の回復に努めましょう。
ただし、筋トレの強度が高くなれば高くなるほど超回復での成長度合いが高くなるとは言い切れないようです。
極端に強度の高い筋トレを行っても、回復期間だけが長くかかってしまい、成長度合いはあまり変わらないという勿体無いことになってしまうこともあるのです。
自分に合った、適度な筋トレというのが大切です。
(決して楽な筋トレという意味ではありません。極端に高強度な筋トレは良くないということです。)
鍛える順番と優先する筋肉
筋トレでは全身をバランス良く鍛えるのが良いとされています。
でも、鍛える部位が多すぎるといっぱい筋トレしないといけないし、どんな順番でやっていけば良いか分かりませんよね。
部位による筋トレの順番
実際に筋トレをはじめようと思った時に、何から行えば良いのか分からなくて躓いてしまう人は多いんではないでしょうか。
実は、筋トレには効率的なすすめ方があります。
体力的な負担が、より大きな筋肉から順番に筋トレを行いましょう!
筋トレというのは筋肉を限界まで追い込まなければいけません。
体力的な負担が大きい部位を後回しにしてしまうと、筋肉を追い込む前にエネルギー切れを起こしてしまうのです。
下の表に、筋トレの部位を体力的な負担の大きい順番に並べてみましたのでご覧下さい。。
1.スクワット(太もも) | |
---|---|
2.ベントオーバーロー(背中) | |
3.ベンチプレス(胸) | |
4.バックプレス(肩) | |
5.プレスダウン(力瘤の裏) | |
6.バーベルカール(力瘤の表) | |
7.クランチ(おなか) | |
8.カーフレイズ(ふくらはぎ) | |
9.リストカール(前腕) | |
優先するべき筋肉
全身の筋肉をくまなく鍛えようとすると、どうしても時間がたくさんかかってしまいます。
筋トレは1時間以内で集中して終わらせた方が良いのですが、どうすれば良いでしょうか?
初心者の方は、優先して鍛えるべき筋肉だけを鍛えれば良いでしょう。
優先するべき筋肉とは、以下の4つです。
クランチ(おなか) | スクワット(太もも) |
---|---|
ベントオーバーロー(背中) | ベンチプレス(胸) |
腹・足・胸・背中は体幹部と呼ばれ、主要な筋肉となります。
そして、肩・腕・ふくらはぎ等は体肢筋と呼ばれ、 体幹部の筋トレを行う時に自然と鍛えられます。
まずは体幹筋をしっかりと鍛えることが大切です。
分割法とは?
「今日は胸と背中」、「今日は脚」、という風に部位ごとに鍛える日を変えて筋トレする方法を分割法といいます。
分割法を導入すれば、短時間で集中して筋肉をおいこむことができるようになります。
ハードな筋トレを行うために
体幹筋の筋トレを行えば、自然に体肢筋も導入されるので、初心者のうちは体幹筋の筋トレを集中して行えば体肢筋もじゅうぶんに鍛えられます。
しかし、ある程度の筋力レベルになってくると、それだけでは伸び悩んだり、物足りなくなってきてしまいます。
体幹筋だけでは無く、肩や上腕二頭筋、上腕三頭筋など体肢筋の筋トレを導入したり、筋トレの強度をもっと高くしたくなってくるんです。
こうなってくると、1時間で集中して終わらせるのが難しくなってしまいます。
そこで分割法の導入をおすすめします!
分割法を導入する
分割法というのは、筋肉の部位をグループ分けし、それぞれ別の日に筋トレを行う筋トレ方法です。
例えば、月曜日は「足・腹」、水曜日は「胸・背中」、金曜日は「肩・腕」という風に分割して筋トレを行うような感じです。
一回の筋トレで鍛える部位が少ないので、短時間で集中して筋トレを行うことができます。
分割法を導入する際には、部位の分け方やサイクルの組み方など、色々なテクニックがあります。
次の記事では、分割法のパターンをご紹介したいと思います。
オールアウトさせるテクニック
筋トレは短時間で極限まで追い込む事が大切です!筋肉を限界まで追い込む「オールアウト」のテクニック!
オールアウトとは
筋トレの効果を得る為に大切な事は、筋肉を限界まで追い込む事です。
1セット中に自分の力を使いきり、動かなくなるぐらいまで追い込む事によって超回復の効率が向上するんです。
通常、人間は体力の限界よりも精神の限界の方が早い段階で訪れます。
これは根性の有る無しでは無くて、肉体を酷使して壊れてしまわないように備わっている自己防衛のための回路みたいなもんなんです。
ですから筋トレの時も、「もうこれ以上上がらない・・・」と思っていても、体の方にはもう少し余力があります。
この余力を引き出して限界近くまで追い込む事をオールアウトといいます。
このページでは、様々なオールアウトのテクニックをご紹介したいと思います。
フォーストレップス法
簡単に言えば、自力での限界が来たらパートナーに補助してもらいプラス数回行うオールアウトのテクニックです。
一般的に、スリー・モア・プレスと呼ばれていますが、私はあえてワン・モア・プレスと呼んでいます。
プラス3回ぐらい行うのが効果的なようですが、「あと3回!」って頑張るより「あと1回!」って頑張る方が気合が入るからです。
もちろん「あと1回!」を3回行う訳ですが(笑)
3回以上できるようなら自力で限界まで追い込めていなかったか、補助の人の力を借りすぎだと思います。
(私もベンチプレスの補助で、背中が筋肉痛になった事があります。)
ドロップセット法
次は、自力で行うオールアウトのテクニックです。
例を挙げて説明します。
ベンチプレス85kgで限界まで追い込んだとします。
普通ならこれで1セットが終わるわけですが、すぐにウェイトを70kgに落として限界まで行います。
またすぐに60kgに落として限界まで・・・
といった具合に、3~4段階まえウェイトを落としてオールアウトさせます。
ウェイトを落とすときは休憩せずに出来るだけ早く交換します。
コンパウンドセット法
これも、自力で行うオールアウトのテクニックです。
ドロップセットでは同種目で重量を落として行いましたが、コンパウンドセットでは1セットの中で2種目の筋トレ種目を連続的に組み合わせて行います。
組み合わせの種目が3種目だとトライセット、4種目以上になるとジャイアントセットと呼びます。
具体的に例をあげると、以下のような感じです。
- バーベルカールで限界まで行う
- 間髪いれずにダンベルカールで限界まで・・
- トライセットなら、加えてラットマシンカールを限界まで・・・
- ジャイアントセットなら、更にコンセントレーションカールを限界まで・・・
種目の順番は、重いウェイトを扱える種目から徐々に軽い重量しか扱えない種目へ移していってください。
ウェイトを落とすときは休憩せずに出来るだけ早く交換します。
その他の方法
私が最近活用しているオールアウトのテクニックをブログで紹介しましたので追加しておきます。
- スーパーセット&ドロップセット(2013年9月2日)
- レストポーズ法&ドロップセット(2013年9月4日)
最後に
上にあげた3つの方法が効率的にオールアウトさせるためのテクニックです。
いろんな種類がありますが、どれが一番良いかは一概には言えませんので、実際に試してみて下さい。
なお、オールアウトのテクニックは、どれもかなりのハードトレーニングになりますので、筋トレに慣れて有る程度の筋肉がついたうえで、安全に気をつけて行って下さい。
また、オールアウトのテクニックを使用するのは1つの部位につき最後の1セットだけでも十分だと思います。
くれぐれもやりすぎには気をつけてください。
疲労が過ぎると、回復がおいつきませんので・・・
オールアウトのテクニックは、効率的に筋トレの効果を得る為に行う事で、根性をつけるためではありません。